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「ブラック企業大賞」とはなんぞや?過去の受賞会社などを調べてみた。

Hatena Feedly

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世の中だいたいまぁそういうものなのですが、知っている人は知っていて、知らないひとは知らない。そのひとつが「ブラック企業大賞」というものです。

どうやら「ブラック企業大賞2016」の候補10社が決まったようです。

www.huffingtonpost.jp

 

ノミネートされた企業は以下の10社です。

  1. 株式会社エイジス
  2. 株式会社電通
  3. 株式会社ドン・キホーテ
  4. 株式会社プリントパック
  5. 関西電力株式会社
  6. 佐川急便株式会社
  7. サトレストランシステムズ株式会社
  8. 宗教法人・仁和寺
  9. ディスグランデ介護株式会社
  10. 日本郵便株式会社

 

今年世間を騒がせた日本を代表する広告代理店「株式会社電通」もばっちりノミネートされています。

じつはこの「ブラック企業大賞」はかれこれ5年ほどあったのですが、この記事では「ブラック企業大賞」の理念や、過去の受賞会社とその理由についてまとめてみました。

このブログでは就職・転職についての情報をひたすら発信しているのですが、やはり「ブラック企業」というものについてはおもうところもたくさんあります。

いずれ、そういったオピニオン記事も書いてみたいものです。

今回は息抜きがてら読んでもらえると幸いです。

 

目次

 

「ブラック企業大賞」とは?

この賞の設立にあたっての理念的なものを公式ホームページで読むことができます。

引用させていただくと、

パワハラ、セクハラ、残業代未払い、長時間労働、派遣差別、偽装請負・・・。日本の労働環境はいまますます悪化の一途をたどっています。それらの職場はここ数年で「ブラック企業」と称され、社会的にも注目されつつあります。しかし個別事例の調査やその問題の発信・解決も簡単ではなく、ブラック企業で働く当事者は、不当な処遇を受けていても声をあげられる状況ではありません。さらにはブラック企業を生み出す社会・経済的な構造についての分析や提言についても不十分であるため、きわだったブラック企業の存在は一時的に取り上げられても、企業全体・働く場全体の質の向上にはなかなか結びついていません。そこで私たちは、ブラック企業の個別の事例はもちろんのこと、それら企業を生み出す背景や社会構造の問題を広く伝え、誰もが安心して働ける環境をつくることをめざして「ブラック企業大賞企画委員会」を立ち上げました。

引用:ブラック企業大賞: ブラック企業大賞とは

※赤字はぼくがつけました。

 つまり、「ブラック企業」という社会問題をある程度しっかり時間と労力を割いて議論する機会を作り出すことを意図しているようです。

たしかに、「ブラック企業」という言葉はそれが出始めた当初からなんとなく(笑)を付けて口にされていたようにおもいます。

「雇用」と「労働」を軸にして、厳しい労働環境や実際に起こった問題を俯瞰的に、そして具体的に見るという上で、いわゆる「ブラック企業」に着目するのはおもしろい試みだとぼくはおもいます。

 

過去に受賞した企業とその理由

実際に受賞に至った企業とその理由を見ていきましょう。

受賞理由は引用するとめちゃくちゃ長くなるので、ぼくの方でざっくりまとめさせていただきました。原文が気になるひとは公式ページでご確認ください。

ブラック企業大賞

 

2012年

大賞:東京電力株式会社

いうまでもなく、福島第一原発事故がらみの労働者の被爆問題。

2012年5月までで20ミリシーベルト以上被爆した労働者は4000人を超えたという。ちなみに年間自然被爆平均量が1ミリシーベルトらしいです。

その規模の大きさ、当事者の多さからしてたしかに一番に議論されるべき労働問題だったかもしれない。

 

市民賞:株式会社ワタミ

2008年6月に入社2ヶ月の新入社員を過労自殺に追い込んだとしての受賞。

受賞理由欄は以下けっこう感情論的な話がつづくので割愛しますが、2ヶ月という短期間と、渡邊会長の知名度の高さがさらにニュースを拡散させた要因にあったように感じます。

 

特別賞:株式会社ウェザーニューズ

2008年10月、勤務6か月の新入社員を過労自殺に追いやったとして受賞。

「天気は眠らない」という名言(迷言?)がとても印象的。

 

ありえないで賞:株式会社ゼンショー

ご存知牛丼チェーン店「すき家」を運営する会社。

「アルバイト従業員から提訴されても、【雇用ではなく業務委託だから合法】と主張した」ということが決め手となった。しかも、提訴した従業員を刑事告訴しかえすという驚きの展開はたしかに当時衝撃だった。

ちなみに労働基準法が適用されるのは「雇用契約が結ばれている場合」に限られているので、仕事を探すときは「業務委託」には注意しましょう。

 

業界賞:SE業界

株式会社フォーカスシステムズ

株式会社富士通ソーシアルサイエンスラボラトリ

SE業界の「デスマーチと揶揄される慢性的な長時間労働の温床」が決めてとなっての受賞。その他、「ひとよりも機械を相手にする孤独な業務形態によるうつ病」「労働行政や司法、その他の業界から仕事内容についての理解が得られていない」という、過酷な労働環境を指摘されての受賞。

 

2013年

大賞:ワタミフードサービス株式会社

前年の市民賞から大賞に格上げ。

選出理由は前年の事件と同じ過労自殺の件。渡邊会長の対応や、メディアの取材により次々と明らかになった過酷な労働環境が連日報道されていた記憶があります。

たとえば「連続7日間の深夜労働、午後3時から午前3時半までの長時間勤務」「閉店後も電車がないため社宅に帰れず職場で待機」「月141時間の残業」など。

 

業界賞:アパレル業界 クロスカンパニー株式会社

株式会社クロスカンパニーは「女性社員が働きやすい企業」と宣伝されているにも関わらず、入社1年目の女性が極度の過労・ストレスによって死亡し労働災害認定を受けている。

アパレル業界といえば求人広告の営業をやっていたとき「低賃金」「長時間の立ち仕事」というイメージがめちゃくちゃ強かった。そして求人広告を出せば応募がないこともないけれど、店のイメージとのミスマッチで採用できなかったり、きつくてすぐにやめてしまうというケースがめちゃくちゃ多かった。

そして亡くなった女性も店長になってから、スタッフの欠員のため店に立たなければなかったり、本社がある岡山での会議に参加したりと、ほとんど休みが取れなかったらしい。本社での会議では

「売り上げが取れなければ給料も休みも与えない」

といわれたらしい。もちろん、法的にそんな締め付けを会社はできるわけもないのだけれど、「数字で追いつめられる」っていうのはホントつらい。

月の残業時間は少なくみても111時間あったという。

 

特別賞:国立大学法人 東北大学

これはいわゆる「アカハラ」です。ぼくも当時大学院生だったので、この事件のことは憶えています、

研究室から投身自殺した男性は、大学院博士課程に在籍時、指導教官から「助手」として働かないかと打診を受け、就職。かれは薬学研究科だったらしいのですが、この分野は競争がとても激しく、生き残りの戦いが熾烈だといわれる分野です。ですので、早い段階で大学のポストを得られたということに当時は安心したんじゃないかなぁとおもいます。そこまではわからないけれど、ブラック企業大賞のHPには「指導教官から請われて退学」と書いてありました。

しかし、助手になってからは自分の研究の時間は取れないくらいに指導教官の雑務やらなにやらばかりを押し付けられ、そこに叱責も加わってうつ病になったとのこと。

 

教育的指導賞:株式会社ベネッセコーポレーション

教育出版大手のベネッセで行われた「追い出し部屋」事件。

追い出し部屋の説明についてはwikipediaから引用します。

追い出し部屋(おいだしべや)とは、日本企業団体の職場において、社員・職員を「自己都合退職」(または懲戒解雇)に追い込み、「会社都合」で退職させないため配属させる部署。

正社員を容易に解雇できない規制」又は「退職金の支給(割増支給を含む)」を免れるため、一部の企業で脱法的に設けられている部署のことを指す

引用:追い出し部屋 - Wikipedia

 裁判では「追い出し部屋」についての法的な解釈が論点となったのですが、

人材部付が「実質的な退職勧奨の場になっていた疑いが強く、違法な制度」と判断し、「人事権の裁量の範囲を逸脱したもの」

とされました。

 

2014年

大賞・WEB投票賞:株式会社ヤマダ電機

超大手家電量販店のヤマダ電機。ぼくの知り合いにもかつてここの社員だったひとがいますが、やっぱりかなりきつくて辞めたそうです。

起こした事件は「過労自殺」。当時23歳の男性が社宅で首をつって亡くなりました。

もともと2004年12月に契約社員として採用された男性は、亡くなる1ヶ月前の2007年8月16日に正社員に登用されますが、いきなりフロア長という「管理職」をまかされます。

当時話題になったのは「若年層の管理職」。管理職は残業手当がつかないため、ヤマダ電機以外でも、コンビニや飲食店でも「定額使い放題」的に社員を働かせるという雇用が問題視されました。

 

業界賞:アニメ業界(株式会社A-1 Pictures)、エステ業界(株式会社不二ビューティ)

まずはアニメ業界から。

A-1 Picturesは「心が叫びたがってるんだ。」などで知られるアニメ制作会社で、ぼくも好きな会社です。しかし、この会社だけでなくアニメ業界全体は「アニメーターの酷使」が問題視されています。

有名な揶揄(?)で、アニメ「進撃の巨人(製作:WIT STUDIO、Production I.G)」のアニメーターたちは主人公のエレンたちが所属する過酷な部隊「調査兵団」になぞらえて「作画兵団」などと呼ばれたりしていました。

過労自殺のために亡くなった男性は「おおきく振りかぶって」や「かんなぎ」の製作にたずさわっていたそうです。月の残業時間が344時間になる、3ヵ月間休みがなかったなど、かなり厳しい労働環境にあったそうです。

また、アニメーターの賃金はめちゃくちゃ低いことでも有名です。年収200万円未満のアニメーターが全体の9割を占めるなど、労働条件の改善が早急におこなわれる必要がある業界であるといえます。

 

つづいてエステ業界。

「たかの友梨ビューティクリニック」の運営でしられる株式会社不二ビューティ。

代表取締役の髙野友梨氏はメディアでの露出も多く、バラエティ番組にも多数出演していました。どうやら労働基準法を無視した勤務の強制、残業代の未払いが問題となったようです。

このエステ業界、同様に整骨院とかもそうなのですが、長時間の労働が業界的に慣習化しています。そのため、ぼくが求人広告の営業をしていたときは、掲載審査も他の業界より比較的厳しく、また残業については詳細まで聞いて、掲載に当たっては慎重に進めなければなりませんでした。

当時の上司がいうに

「エステ・整骨院で黒くないところなどない」

 

特別賞:東京都議会

2014年6月18日の都議会における、女性議員に対しての「早く結婚した方がいいんじゃないか」といった女性軽視発言が問題となりました。「セクハラ」問題にあたります。

なんというか、政治というのはつねに変化し続ける社会、そして考え方に対してフレキシブルに対応できなければならない仕事なのに、どうしてこういう化石化したような言葉を平気で口にできるのか理解できません。

ちなみにセクハラでもいろいろ種類があるようで、この発言は「環境型セクハラ」と呼ばれるそうです。これは「職場での性的な言動によって、労働者の就業環境が不快なものとなり、仕事をする上で支障がでること」を指すらしいです。

 

要努力賞:株式会社ゼンショーホールディングス

再出となるので詳細は割愛。

「『すき家』の労働環境改善に関する第三者委員会」の調査報告書が公表されたことが話題となりました。

 

2015年

大賞:株式会社セブンイレブンジャパン

2015年は何かと「ブラックバイト」という言葉が流行した年でした。

ブラックバイトとは、学生アルバイトを正社員並みに働かせ、そして学生生活に支障をきたすまで酷使するものをさします。

セブンイレブンでおこった「見切り販売」についての損害賠償訴訟については結構複雑なのですが、ざっくり言えば「FC加盟店への圧力」の問題になるかと思います。この本部からの強いFC加盟店への圧力が、末端である学生アルバイトにまで及んだという構造を浮き彫りにする事件でした。

 

WEB投票賞・アリ得ないで賞:株式会社引越社関東

ご存知、「アリさんマークの引越社」。

起こった事件は「突然にして理不尽な懲戒解雇」です。ほとんどイジメみたいなもの。

営業職だった従業員をシュレッダー係に配属し、突然懲戒解雇を言い渡しました。その理由について「罪状」と記載し、従業員の顔写真を入れた「罪状ペーパー」を作成し、これをグループ全国の店舗に掲示しました。

もう、えげつなすぎて声もでません……。

 

ブラックバイト賞:株式会社明光ネットワークジャパン

個別指導塾「明光義塾」を運営する会社。

塾講師の仕事はぼくも6年ほどしましたが、どこの教室でも賃金が発生するのは授業だけで、その他の準備や講習会の提案書の作成などには賃金が発生しません。ぼく自身、大した稼ぎにはなっていなかったのですが、それでも「やりがい」のある仕事だとおもっていたので、楽しいバイトだとおもっていました。しかし、それはある意味で「やりがい搾取」という、ブラックバイトの典型なのかもしれません。

実際、明光義塾ではこのことが問題となり、「ブラックバイト」の烙印を押されることとなりました。ぼくは明光の講師ではなかったのですが、じぶんにとって身近な業界だっただけに衝撃を受けました。

 

特別賞:暁産業株式会社

福井県福井市にある消防用設備などの販売と保守点検を行う「暁産業株式会社」。

従業員は当時44名の小規模な会社でした。

ここであったのは「イジメによる自殺」。

亡くなった男性は当時19歳で、高校生の時から同社でアルバイトをしていて、卒業後に正社員として入社。その後、直属の上司から執拗な暴言を受け、鬱に陥ったという経緯です。

他の企業にくらべ小規模の会社ですが、「未成年の自殺」が論点となりノミネートされたとのこと。

逃げようとおもえば最悪会社をブッチするなど方法があったようにおもえますが、鬱状態ではそういう発想を持てないとききます。おそらく人一倍責任感が強かったのではないかと、勝手に想像してしまいます。責任感の強いひとほど、うつ病にもなりやすいといいます。

 

まとめ

今年はこれだけ社会問題になったんだから、電通が受賞するんじゃないでしょうか?

それにしてもこの記事を書いていて、かなりカルマが溜まったかんじがあって、気分はかなり重いです……。

という戯言はさておき、「ブラック企業」という観点から日本を見てみるのも、たしかにおもしろいところはあるなぁとおもいました。

原発問題、若手の管理職、ブラックバイトなど、時代を反映した事案が多く取り上げられたのはやはり特筆すべきことではないでしょうか?

ともあれ、仕事を必死で探すひとがいるなか、労働によって命を落とすひとがいるというのはなんともむごい世の中です。

社会にとってぼくらなんて所詮モブで、大した影響を及ぼせない 。

そうおもうことが多々あります。

しかし、どんなに小さくても声を上げることこそ、モブとしての戦い方だとおもいます。

 

長々とおつきあいいただき、ありがとうございました。

 

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